D-TK10というスピーカー(2)

タマ「ちっちゃー‼……何なんすか、このぶっといスピーカーケーブルは?」

ジル「ちゃんとした音を出すためだニャ」

ミケ「それにしても、ツイーターにウーファー10㎝のが一個だけって……仮にもオー

 ディオマニアの崖っぷちにいたオジサン……先生……師匠」

ジル「オジサンで結構だニャ」

ミケ「オモチャのような音しか想像できないんですけど」

ジル「想像通りなんだニャ」

タマ「おっちゃんがスピーカーの購入に失敗した話、なるほど……くだらない」

ジル「だから太いケーブルも必要だったのニャ」

ミケ「音、聴かせてください」

ジル「了解‼ カラヤンが1970年代にイエスキリスト教会で録音した交響曲ハイレゾ

 音源があるから、リクエストがあればどうぞなのニャ」

タマ「おっちゃん、カラヤン好きじゃなかったよね。じゃブラームスの1番ある?」

ジル「あるニャ」

ブラームス交響曲第1番「ダンダンダンダン……」

ミケ・タマ「何何何何‼ この凄い音は」

ジル「オモチャのような音から始まり……結構苦労したのニャ」

タマ「続きをお願いします……師匠」

ジル「このスピーカーの最も恐るべきところは、低能率ということだニャ。他のスピー

 カーの4倍から10倍以上のパワーを投入しなければ同じ音量では鳴らせないのニャ。

 だからアンプの出力は、4Ωで200Wは欲しかったし、少しでも抵抗を軽減するように

 太いスピーカーケーブルにしたのニャ。電源回りもできるだけクリアにして、ようや

 くこの音になったということだニャ。何にしても、これほど環境が顕著に反映される

 スピーカーは他にはないと思うのニャ」